2014年3月6日

無宗教、無宗派?

三浦半島に自宅マンションを購入してから約1年半。先日、リビングの壁に手作りの「神棚」を設けた。洋風の部屋には合わない気もしたのだが、方角などを考慮しこの場所に決めた。ちなみに、棚板は「無印良品」で手に入る壁掛け棚で、その他の神具もホームセンターで売られているもの。

両親が共に田舎と決別して東京へ出たこともあり、すでに菩提寺(檀家としてお世話になる寺院)との付き合いはない。家に仏壇はなく、父は宗教不問の公園墓地に新しく墓を建立した。服部家はそんな無宗教のような形で現在に至るが、良く考えてみると、単に特定の宗教や宗派を信仰していないだけで、基本的には日本人古来の生活に根付いた「神道」を礎にしてきたのは事実。初宮参り、七五三、初詣、お祭り、神前結婚式、地鎮祭などは全て神道の風習である。


本来の神道は多神教で、決まった教祖・本尊がおらず、経典や教義もない。洗礼を受けて信者になったり、檀家・信徒に加わるという制度もない。そんな煩わしさがないことも手伝って、日本人は古くから様々な神を各々の気持ちで敬ってきた。最近はお札やお守りをインテリアとして飾る人が多くなっているのだとか。日本人の多くは「宗教」という枠に囚われることなく、「文化」「風習」の一部として、込み上げた崇高な気持ちを神に向けてきたのだろう。

明治から終戦までの間は天皇を中心に据えた「国家神道」として扱われた時期もあるが、本来はもっと大らかな信仰が基本で、山や川などの自然や自然現象を敬い、それらに八百万(やおよろず)の神を見いだすという考え方なのだ。


全国の神社を統括する神社本庁によると、神棚はお札を3枚並べてお祀りする「三社造り」と、3枚を重ねてお納めする「一社造り」という形式があるのだとか。私の神棚は一社造りではあるが、お札を納めるだけの簡易神棚となる。

一般的には手前に「天照大神(あまてらすおおみかみ)」を祀った伊勢神宮のお札を納め、その後ろに居住地を管轄している氏神神社(鎮守神社)のお札を納める。もし、それ以外に良く参拝する神社があれば、その神社のお札を一番奥にお祀りするのだという。ちなみに、伊勢神宮のお札(神宮大麻)は全国どこの神社でもお授け頂ける。祀り方にルールはあれど、まずは先人に心を寄せることが大事なこと。感謝の気持ちを忘れてはならない。