2013年10月13日

反日教育に終止符?!

韓国「教学社」が出版した高校の新しい歴史教科書が検定で合格したことがこの秋大きな話題となっている。これまでの韓国の歴史教科書は、それこそ歪曲の域を超えた「反日、反日、反日」であったわけだが、この教科書では日本による統治を「肯定」する表現が盛り込まれているというのだ。

朝鮮総督府(ちょうせんそうとくふ)
採用する学校がどれほどの数になるかはわからないが、そうした論調の教科書が検定を通ったことは、韓国社会にとっては歴史を覆すような大事件なのである。韓国メディアによると、教学社の教科書は日本による統治に関し、「新しい都市が植民地的要求により交通・流通の中心地に成長した」「工業化が急進展し、近代教育を受けた『新女性』が登場した」などの記述が多く見られるという。

京城帝国大学(けいじょうていこくだいがく)
これは数年前から唱えられ始めた、日本による統治が韓国の近代化を促進したと考える「植民地近代化論」に基づくもので、日本統治時代は全て「悪」であるとの認識で固まっている韓国社会では、こうした内容が教科書に掲載されることはなく、そのような考えを持っているだけで「売国奴」のレッテルを貼られてしまうことさえあるのだ。

京城三越(けいじょうみつこし) ※左側の建物
政治的な側面が入ってくると、日本に対してだけ異常なほどの嫌悪感・憎悪感をあらわにしてきた韓国。国を二分するであろう今回の出来事は本当の意味で韓国が近代化を遂げられるかどうかの最大のハードルと言えるかも知れない。色々な意見はおありだろうが、こうした教科書の登場は今後の日韓関係にも少なからずいい影響を及ぼすであろう。


<朝鮮総督府>
1910年(明治43年)に日本領となった朝鮮を統治するために設置された官庁。庁舎は京畿道京城府(現ソウル特別市)の景福宮敷地内に設置された。戦後、建物は国立中央博物館として使用されていたが、1995年に解体。

<京城帝国大学>
1924年(大正13年)に日本6番目の帝国大学として、京畿道京城府(現ソウル特別市)に設立された朝鮮唯一の旧制大学。大学の略称は城大(じょうだい)。 1946年に京城大学に改称し、その後は現在のソウル大学となる。

<京城三越>
1930年、三越百貨店の京城店として開業したデパート。戦後は韓国人が経営者となり東和(トンファ)百貨店と改称。1963年にはサムスングループの傘下となり、店名は公募によって「新世界(シンセゲ)百貨店」と改められた。


※使用している画像について
画像は3点ともフリー百科事典「ウィキペディア」に掲載されている『日本統治時代の朝鮮』『京城府』のページより引用致しました。いずれも著作権の保護期間が終了しており、出典を明示した上での使用は差し支えないとのことです。