2011年5月18日

5.天津⇔名古屋便

旅行5日目は朝からスッキリ晴れ渡る。中国では連休が終わり通常の生活モード。我々は朝食を済ませ、ホテル前の船乗場へ。昨日の人混みが嘘のように、川辺の公園は静まり返っていた。


前の晩に調べた時刻表では、朝の第一便は9時発。しかし、切符売り場に行ってみると、「メイヨー!(ない!)」と一言。客がいないので11時まで船が出ないという。中国ではよくあることらしい。


午前中いっぱいで中国を去ることを身振り手振りで一生懸命伝えること10分。なんと快く船を出してくれることになった。中国人は素っ気なく思われがちだが、本気でお願いするととても親切だ。


出航直後、突然船が舵を切り大きく揺れた。見ると川の中に人が!!溺れているのかと心配したのだが、乗務員も落ち着いていて特に騒ぐ様子はない。どうやら水泳中の市民のようである。


「清」の勢力が衰えを見せていく中、天津にはイギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、日本、ロシア、イタリア、ベルギー、オーストリア、ハンガリーによる「租界」という外国人エリアが築かれていった。


「租界」は清の力が及ばないエリア。清最後の皇帝「溥儀」も紫禁城を追われた後、日本租界で7年を過ごした。今も当時の建造物が近代的なビル群と共存して天津の街並みを形成している。


リバークルーズは、ちょうど天津駅の辺りてUターン。どこを見ても中国であることを忘れてしまうほどの発展ぶりを見せてくれるのだが、街中に残る古き良き風情は是非とも守って欲しいものだ。


部屋に戻って荷物の整理。手持ちの荷物を増やさないように、お土産などはなるべく旅行カバンに入れ込んでしまう。11:45、チェックアウトを済ませ、我々はタクシーで天津空港へ向かった。


搭乗便は、天津空港14:00発の中部空港(セントレア)行。JALの国際線が軒並み路線を閉じた中、天津に「トヨタ」の工場があることから、トヨタのお膝元である「名古屋」との便は残ったのだ。


5日間の滞在ではあったが、中国のダイナミックさを感じられる有意義な旅であった。再見、中国!!さて、飛行機は一路日本へ。ここからは怒涛の日本国内トランジット旅の始まりである。


夕方、無事に中部国際空港(セントレア)へ到着。空港利用者のほとんどは、ここから名鉄に乗って名古屋方面に向かうのだが、我々は荷物を半分東京へ送る手続きを済ませ、ある場所へ…。


中部国際空港と津・松阪を結ぶ「津エアポートライン」。名古屋を経由して向かうよりもかなり早く三重に着くことができるのだ。料金は大人2400円。中国帰りの我々にとっては少々高額である(笑)


ゴールデンウィーク後半の真っ只中ではあったが、あまり乗客はなく船内はとても静かであった。中国での疲れが出たのか皆居眠りを…。船は時間通り40分で対岸の「津なぎさまち」に到着。


タクシーに乗って、松阪牛を安く提供してくれると地元でも人気の焼肉店「八廣」へ。予約していた時間に少し遅れてしまったのだが、お店の女将さんが笑顔で迎えてくれた。店内はすでに満員御礼。


とにかくどの肉も本当に美味い。特に「塩ホルモン」には驚かされる。こんなにサッパリとした旨味の濃いホルモンには滅多に出会えない。サガリやタンもお薦め。小松菜ともやしのナムルも絶品だ。


宿泊は近鉄「久居(ひさい)駅」の近くにあるビジネスホテル。伊勢までは30分かかるのだが、翌日また同じコースで空港へ戻ることを考えるとベストな選択と言える。明日はいよいよ「伊勢参り」だ。

次回へ続く。